第288話 技術者たちの協議
ハイペリオンとファルスが、協議している。
「事実上往復で、二年ってのはわかっていたとはいえかかりすぎだぜ。」
「そうだのう。
地球の連中は、数ヶ月でこれてしまう・・・
どうにかせんと・・・」
そのとき、おなかが大きくなったミリィが紅茶のワゴンを押してくる。
「あなた、ファルス様。お茶が入りました。」
「おお!すまんな。」
すっかり、主婦が板についている。
「速度は、技術上仕方ないとはいえ、ユニィ姫のおっしゃるとおり、「中継ステーション」が必要かと存じますわ。
地球との相互通信の電波速度などを増幅させるシステムとして・・・」
おなかを撫でつつ、講釈する。
「もしかすると、「次元運河」の出入り口としても使用できるかも。」
「「次元運河」だって?
あの黒猫女王が言ってたぜ・・・
固定システムで、通常のワープより飛べる次元通路ができりゃあすげえって理論・・・」
「あれ?
変なこと、私言いました?」
「忘れとったか?
ミリィはこれでも、ワシの助手をしとったぞ。」
「ま、それでもミリアム陛下やアルナス卿には及びませんが。」
淑女に見えて、その眼光が光っている。
「まあ、案外そういったシステムを使っているんじゃないかにゃ。
銀河人は。」
近くから声がした。
ミケランジェロ一族の、若い女科学導師である。
「ファクトリア・ミケランジェロにゃ。
名高き老師や奥方。
それに、工学の天才「機巧の大魔王」ファルス様にお会いできて光栄にゃ。」
「聞いたことがあるぞ・・・
キティルハルムの開発した「盾艦」。
そのコンセプトから設計を全てこなした、天才がいるとのお・・・」
「お世辞が上手いですにゃ・・・
ただ、陛下から「護衛艦」のコンセプトを聞かされたとき・・・
「戦艦」「巡洋艦」「駆逐艦」・・・
全てが同等の早期警戒システムを持っているのに、「イージス・システム」は必要なのか・・・
っていうか、「盾」の意味はあるのか・・・
って、名前負けじゃん?
そう思ったにゃ。
だから、力技で防御してやろうと思ったにゃ。」
「それが、あのアホな威力の神波動盾かよ・・・
生身の人間や魔装騎士の神波動盾より強力だぜ・・・」
ミリィさん、一応「合法ロリ」です。




