第2843話 キジトラ猫の女王
ミリアリア艦橋・・・
「戦闘化ッ!」
私の身体を、守護の竜の鎧が覆った。
「さあ・・・
どこからでもかかってきなさい。
もっとも・・・」
私は目を細めた。
「私は、全方位どこからでも攻めますよ?」
敵艦隊から、ミリアリアに神波動閃熱砲を始めとする攻撃が集中する。
が。
敵艦隊は、左右や後方から攻撃を食らっている。
「しかし・・・
この艦の防御率・・・
「まったく」低下してないにゃ。」
ナキの報告。
最新式の神波動盾と、私自身の強化による底上げだ。
「しかし・・・
見事にひっかかってるにゃ。」
ただ、依然として数は減っていない。
ほどなく・・・
「敵旗艦から通信にゃ!」
来たか。
艦隊司令は誰だ?
必死に私を討とうとしている。
「繋いで。」
モニター画面に、猫人の女性の姿が映る。
ほほお・・・
キジトラ系か。
「タルタロス宇宙ケットシー王国女王ケトです。
自らを餌に、敵をタコ殴りにするとはやりますね・・・
キティルハルム女王ミリアリア・イスレ・キティルハルム。
これが、名高き亜神の戦術ですか?」
皮肉がこもった言い方だ。
「1ノワールにもならん安い挑発には、私は乗りませんよ。
後・・・
こういうのには・・・
「怒る」人に言うものです。
それと・・・
私はこういう嫌味を言われるのが大好きなのですよ。」
そう。
悪口や嫌味は、気にしない者にとっては意味がない。
「いるんですよねえ・・・
相手が怒ると思い込んで、無意味な挑発をする方って。」
私は、右手の甲をぺろりと舐めて見せる。
「さあ・・・
私自身を倒すことに躍起になって、自分が倒れてもいいんです?
それでは、私に一太刀浴びせる前に倒れますよ?」
なんと!
敵は女王でした!




