第2840話 キティルハルムの外交3
「なるほど・・・
キティルハルムは、それほど外交に「信用」を求めていたのですね。」
ミネルヴァ神が、言った。
「しかし・・・
「宗教審問」とは?」
「はい。
初期のキティルハルムは、「宗教」を禁じていました。
それは・・・
「宗教こそ、神に背く行為」とされたからです。」
そこで、ミネルヴァ神ははっとなる。
「よもや・・・
地球・日本の「神道」?」
「そうです。
初代首脳陣は、固定概念化した宗教概念を棄て・・・
「神」を「信用」することとしたのです。
結果・・・
キティルハルムは、固定された「宗教」を棄て・・・
「神」と直接交流するようになりました。」
「独特の宗教観ですね・・・」
だが・・・
人と神は、必要以上に互いに不信になってはならないのだ。
「まあ・・・
私にも予測外だったのは・・・
タルタロス宇宙でした。
まさか、「外」からくるとは。」
「でも・・・
すでに古代の地球で、「マルチバース理論」は確立していたのでしょう?」
「ええ。
もっと発展した理論に・・・
「宇宙生命体理論」があります。
さらに、このマルチバースを原子あるいは細胞とし・・・
巨大な生物を構成するという。」
「誰の理論ですか?」
ミネルヴァ神は、尋ねてくる。
「古代の地球で・・・
「漫画神」と呼ばれた巨匠ですよ。
事実・・・
虫歯の菌の最大拡大写真を見ると・・・
都市に見えるそうですからね。」
私は、流れるように説明した。
「さすが、科学導師。
神を目の前にしてこういう理論を・・・」
「あら?
「神」にも「科学導師」はおられますよ?」
あの「神」の理論ですな。




