第2836話 パスキール観光3
旧パスキール市街・・・
「毎度ここにくると・・・
辛くなりますね・・・」
私は、ガラスというガラスが割れ・・・
かつての頃は快適であったろう居間の、写真立てを手に取る。
ここに写っているのは、楪の魔女様と初代様・・・
そしてガチョウおばさんだ。
「初代様は、かつて・・・
ここで、ジュースを飲み・・・
DVDを鑑賞されていたそうです。」
「ここが・・・
エレノラ邸・・・」
ハルカ神は、崩れ落ちた。
「これまで・・・
古代の爪痕をいくら見ても、どうも思いませんでした・・・
しかし・・・
私は・・・
彼女たちの当たり前の幸福を・・・」
私は、目を細める。
「猫」さながらに。
「このような物・・・
些末にすぎません。
タルタロス宇宙の侵略は・・・
これ以上を成そうとしています。
ともに戦ってくださいますね?」
私は、手を差し伸べる。
そこで、ハルカ神は手を取る。
「思えば因果なものです。
超魔王としての私を倒そうと準備していたライテスも・・・
私と対峙したあなたを見て・・・
敵のはずなのに、親しみを覚えました。
もしかすると・・・
まだ仔猫だった、あなたの先祖の面影を見たのかもしれません。
勝手かもしれませんが・・・
「喜んで」と答えましょう。
ところで・・・」
私は、「来た!」と思う。
彼女なら間違いなくそう考える。
「ここは、なぜ改修の際遺したのですか?」
「それは・・・
これを見れば・・・
愚かな戦いをすれば、怖ろしいことが起こるということを、目で教えるためです。」
ここの遺物のオリジナルは、キティルハルムの王立図書館の資料室にあります。




