第2819話 逃がせ、しかし・・・
ふむ・・・
「メディル。
相手が退くなら、逃がしてください。」
「はい。」
通信で、私はメディルに命じる。
そのとき、私とメディルの顔は・・・
「女王と服飾デザイナーがしてはいけない表情」だったらしい。
「なぜです?
ここまで勝っているのですよ?」
シルフィード神が聞いてくる。
「ちッちッちッ・・・
わかってないにゃ~」
ナキが「ものすごく」邪悪な表情で答える。
「敵全体をビビらせて、攻める気をなくすためにゃ。
アホな敗け方を続ければ、フツー、その気をなくすにゃ。」
「では、そうでないなら?」
「タルタロス宇宙で、下の神様や人間たちが反乱をおこすにゃ。」
「しかし、攻め続ければ・・・」
「それならそれでいいにゃ。
相手は攻め疲れてへばるか、陛下の策にハマって壊滅するかのどっちかにゃ。」
ツクヨ艦隊・・・
「ええい!
あの機体はなんなのだ!
防御一辺倒だぞ!
時間魔法!
「加速」だ!」
ツクヨ艦隊は、ありえない速度で突っ込んでくる。
時間魔法で加速しているのだ。
だが・・・
「この私が・・・
「防御」しかできないとお思いですか?」
メディル機は、光流金属の糸で魔方陣を描く。
そうして現出したのは・・・
巨大な黒い穴だ。
そこに、ツクヨ艦隊は突っ込んでいく!
ツクヨ艦隊・・・
「や・・・
やられました!
こっちの移動位置を予測の上・・・
空間歪曲魔法を使用されました!」
「なんだと!?」
そう。
メディルはツクヨ艦隊を「強制送還」したのだった!
すげえ・・・




