第2811話 神聖工房
「工業力にも・・・
と、仰せですね。
確かに限度があります。
が・・・
「時間」と「空間」の流れを変えれば・・・
人間の皆様の負担を和らげることもできまするが・・・」
アルフォンスが説明を始める。
「じ・・・
次元断層ッ!」
ミリアム女王が声をあげた。
「通常空間の倍の速さで時間が流れる空間!
そこでならいくらでも生産が可能です!」
「お・・・
おお・・・
これで・・・」
安堵する王たちだが・・・
ここで・・・
「忘れたにゃ?
そーいう「時間操作」はガチ「神の領域」にゃ。
人間が「神々」に頼り切っちゃだめにゃ!」
ファクトリアがぴしっと言う。
「そう言う訳で・・・
この「神聖工房」では、弾薬や表層装甲・・・
神族の兵器のみを生産します。
よいですね?」
アテナ神が注意喚起する。
「「「ぎょ・・・
御意に・・・」」」
地の底に堕ちたような表情の王たち。
「当然ですよ。」
ミリアム女王がジト目になる。
「ミ・・・
ミリアム女王とて、「時間魔法」をお使いになられるだろうが!」
一人の王が「失言」をぶっかます。
が・・・
「だが・・・
「限定的」だ。」
そこに現れたのは、深淵の図書館の番人・司書神の従属神トトである。
「彼女が行使するのは、我が主の術。
畏れ多くも、時空神様の力は人間に行使できぬ。
もし仮に人間が、時空神様の力を行使できれば・・・
ヘタをすれば、この宇宙どころか「マルチバース」が崩壊しかねん。」
ずいぶんとコワいことを!
そう。
「本職」の時の神の魔法は使えんのです。




