第2805話 白衣の騎士
ミリアム女王が、端末を操作すると、その詳細なデータが空中に投映される。
「この機械惑星要塞についてだが・・・
唐揚げさんの説明を交えてしていこうと思う。」
トラルティールの騎士服の上に、白衣を着たアルナスがミリアム女王の言葉を引き継ぐ。
「がらんどうだな・・・」
ある王が言う。
「ああ。
そのせいで、楪の魔女様は最初の一つを陥落させるのに苦労したみたいだぜ。
だが・・・」
唐揚げさんは、脚に教鞭を持ち、ある一点を指す。
「ここだぜ。」
「「「ここは・・・」」」
気付いた者も多かった。
「そう。
ここは・・・
「常温核融合炉」だ。
なに。
直接狙わなくていい。」
アルナスの目が、肉食獣のような光を放った。
「最低でも、可変型戦艦で内部に直接転移。
神波動閃熱砲を二三発も叩き込み、脱出するか神波動盾を展開してやりすごせばいい。」
アルナスのその言葉に・・・
「なるほど・・・」
「外から破壊できずとも、内側から・・・」
次々に言う王たち。
「そういうこった。」
王たちの指摘に、唐揚げさんが答えた。
「は!
チキンよ!
そのような戦略で・・・
貴様はやはり「チキン」だな!」
言ったのはコリアス大統領だった。
「んだと!?
これは宇宙でも名だたる楪の魔女様が実地でやった策だぜ!
ケチつけるんじゃねえ!」
唐揚げさんは、ブチギレるが・・・
しかし、アルナスは彼を抱きかかえる。
「では、大統領閣下?
あなたならやってみせられるか?
あるいは、できる将を抱えておられるのか?」
「うッ!?」
アルナスは、狼のような目でコリアス大統領を「笑いながら」にらみつける。
その姿は「白衣の騎士」そのものだった。
まーた、コリアス大統領です。




