第2801話 古典的手段
「っていうか・・・
その材料の「コロナウイルス」って・・・
今はどーなってるにゃ?
当時はすごいことになったと聞いたにゃ。」
バステト神が、尋ねてきた。
「ええ。
当時は、地球の総人口の何割かを削りました。」
私は、無表情で答える。
「そうですね・・・
ワクチンと治療薬の開発と新種の出現のいたちごっこでした。」
アルナスが補足する。
「しかし・・・
ジョルジュの戦術から・・・
ずいぶん、練られた戦略だった気がするにゃ。」
バステト神は、目を細めた。
「猫」さながらに。
「実のところ・・・
古来からある戦術です。
また・・・
昔は撲滅されたウイルスを、こういう目的に使うことはよくあったし、実際に使わずとも研究目的で保管することはありました。」
事実、どーいうわけか、コロナウイルスの耐性は抗体以前に、この時代の人類に備わっていたのだ。
もしかしてと思ってファクトリアに開発させたが・・・
「古典的手段というわけか。
では、三賢人に各国の王よ!
戦力の増強に努めよ!」
時空神ウラノスが言う。
「今更だが・・・
手段は選ぶな!
やつらは、こちらが攻めぬにもかかわらず、断続的に攻めてきておる!」
向こうにも「医神」はいるだろう。
必ず、ワクチンを開発してくるだろう。
それどころか・・・
「心配無用にゃ。」
ファクトリアの不気味な笑顔・・・
「「ジョルジュ・ワクチン」簡易量産型・・・
全宇宙にデータを流してあるにゃ。」
裏をかいてるッ!




