第2799話 ベローチェ艦隊全滅の経緯
後詰め艦隊・・・
「どういうことだ!?
凄惨な戦闘の後だと言うのはわかる!
しかし・・・
この戦死者の苦悶に満ちた表情はなんだ!?」
指令のラングは、当然そういう疑問を持った。
やがて・・・
それは、タルタロス宇宙にベローチェ艦隊が戻った直後だった。
「殺人機械は、どうなっています?」
「は・・・
はい。
各艦に、突入されており・・・
甚大な被害が・・・
かく言う我が艦にも・・・」
「くッ!」
「しかし、幸いなことに殺人機械は動作を全て停止しています。」
そう。
殺人端末は、全て停止していた。
「生き残りがこれだけでも、勿怪の幸いです。
このことを上にただちに報告・・・」
だが、異変は次に起きた。
「おい!
どうした!?」
オペレーターが叫ぶ。
「どうしました!?」
「そ・・・
それが・・・
全艦、皆が意味なく笑い続けたあげく・・・
これまた意味なく、風邪に似た症状で「突然死」していくようです!」
そう。
これこそ、ジョルジュが殺人端末に仕込んだ「笑いインフルエンザ」ウイルスだった。
ただでさえ・・・
古代地球の最悪の感染症の「コロナウイルス」・・・
それと、ファクトリアが「遺伝情報魔改造」を施した「ワライタケ」の毒を複合した・・・
最悪の細菌兵器だった。
そうして・・・
ベローチェ艦隊の生き残りは、しばらく耐えていたが・・・
自分の意思を無視して続く「笑い」により、ごっそり体力と神波動を奪われ・・・
「コロナウイルス」本体によって、衰弱死して全滅してしまったというわけだ・・・
この詳細な調査結果に対しラングは・・・
「お・・・
おのれ・・・!
ここまでするかッ!?」
顔も知らぬジョルジュに対し、怒りを向けるが・・・
「ま・・・
マズいです・・・」
オペレーターが、言いづらそうに言い淀む。
「どうした!?」
「この艦隊が・・・
ウイルスで汚染され始めています・・・」
エグさ満載です。




