第2789話 やってみたかったのじゃよ
戦端を開いたのは、バロス指令だった。
「撃てッ!
いかな盾とて破れよう!」
バロス艦隊の艦が、総攻撃をしてきた。
が・・・
老師は涼しい顔をしていた。
「駆逐艦に向けたロンギヌスを、いくらか稼働してやるかのお・・・」
老師の脳波コントロールで、ロンギヌスが数機・・・
バロス艦隊の駆逐艦に向かう。
「敵攻撃衛星と思われる端末に、神波動閃熱砲と神波動レーザーが命中!」
バロス指令に、オペレーターが報告するが・・・
ドドオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!
「どうした!?
敵艦は沈めずとも、端末は破壊できたはずであろう!?」
バロスは錯乱する。
「そ・・・
それが・・・
我が方の駆逐艦数隻が沈みました!」
ハイペリオン旗艦・・・
「まだ気づいていないようですね。
「自分の攻撃」が「自分の駆逐艦」を沈めたことに。」
テミスが、呟いた。
「こういう兵器は、自分の攻撃だけでなく・・・
相手の攻撃をそっくり「返却」できてしまうのじゃよ。
悪質な攻撃は、「お返し」するのが筋じゃて。」
老師は、ニヤリと笑う。
「ああ・・・
陛下とアルナス卿が言っておられた「クーリングオフ」というヤツですか。」
「うむ。」
テミスに、答える老師。
「実はのお・・・
「タイラント」でミリアム女王がやった・・・
「核ミサイルの返却」・・・
アレのマネをしたかったのじゃよ。
しかし・・・
いささか直接的かのお・・・」
反射衛星砲ロンギヌスは、リフレクタービ〇ト的でもあります。




