第2788話 ハイペリオン艦隊
宇宙中央・・・
「まったく・・・
人使いが荒いことじゃて・・・」
老師こと、天空の大魔王ハイペリオンは、旗艦ハイペリオンの提督席に座していた。
「ファルス様や陛下も言っておられたではないですか。
こちらには「情報」がないのです。」
娘である正義の大魔王テミスが言う。
「言うてものお・・・」
そこで・・・
「タルタロス側から敵艦隊が!」
次女で閃光の大魔王コロニスが報告した。
「コロニスよ。
敵の外見はどうじゃな?」
「はい、父上。
どうやら殿下の報告とそう大差はないものと。」
そこで、老師はニヤリと笑った。
「全艦・・・
反射衛星砲ロンギヌスを出しておけ。」
「どうなさるおつもりで?」
テミスが聞く。
「くくく・・・
「盾の姫」の戦術の単なる二番煎じはおもしろくないわい。
ワシの得意技を使わせてもらうのじゃよ。」
艦橋内のオペレーターの中には、気づいた者もいるようだ。
老師が何をしようとしているか・・・
「さて・・・
射出後・・・
全艦・・・
神波動盾を展開!」
テミスが手を振った。
タルタロス宇宙艦隊・バロス艦隊・・・
「ええい!
ドレ艦隊も情けない!
棒立ちの盾を構えているだけの連中にやられるとは!」
艦隊司令バロスは、撤退した駆逐艦の情報から、そう決めてかかっていた。
が・・・
本当に恐ろしいのは、「盾を延々と殴る続ける」ことではなく・・・
「とんでもない分厚さの無垢材の盾を全力で殴ることを強要される」ことなのだ。
ドレ艦隊は、それでやられたわけなのだが・・・
どうやら、バロスはそれに気づいていないようだ。
久々に老師です!




