第279話 艦内研究
ユニィは、艦橋の王太子席でうつらうつらと、居眠りをしていた。
この時間、彼女のシフトは組まれておらず、フリータイムだった。
艦内服のデザインは、SF風の上下で、その上に王太子のローブを着ている。
まあ、何かあれば、アルムスなり誰かなりが起こしてくれる。
「た・・・大変です!姫!」
風紀保全のケイト・リッテンバーグが飛び込んできた。
「ん?何?」
「ネズミさんたちが・・・」
「ネズミさんたちが?」
「実験と称して、変なことをやっています!」
発酵業務用マウス一号は、人鼠の姿で・・・
発酵助手用一号が、実験用のベッドに拘束されている。
やがて、発酵業務用マウス一号は、発酵助手用マウスの局部にチューブを突き刺し、「何か」を注入しようと・・・
「何やってるの!」
「「じ・・・実験を・・・」」
「生殖実験だって言ったら怒るの!」
「い・・・いや・・・生殖行為は自由だったはずじゃあ・・・」
「「普通に」やるなら・・・
けど・・・
コレ、なに!?」
ユニィが引っ張り出したもの・・・
それは、「スノーエンブレム社」の製品・スライムチーズ・・・
「まったく・・・
お父さんと同じような変態な「生殖実験」なんかしようとして!
血は争えないの!
それと・・・
食べ物で遊ばないで!
ここは、宇宙空間・・・!
リシテアールと違って、積んである食糧しかないの!」
「「ご・・・ごめんなさい・・・」」
ユニィは、がっくりと肩を落とした。
ユニィ:食べ物で遊んじゃだめなの!




