第2738話 調書
「うーん・・・
うーん・・・」
担架に載せられた三毛猫君が、運ばれていく・・・
「ミリアム陛下・・・
いったい、どのような手を使ったのだ?」
ラインハルト提督が、私を見た。
「ええ。
「クサい飯」をね。」
私は、ニヤリと笑う。
「猫」さながらに。
「あの~・・・
ミリアム陛下の料理は、おいしいと聞きますが・・・」
ヤン提督が言うが・・・
「凶悪思想犯に事情聴取するために使う手段です。
これが効くのですよ・・・」
私は、紙の束をラインハルト提督に渡す。
「いや~・・・
まさか、三毛猫君がへばってしまうとはねえ・・・
嗅覚は、我々の建国期世代くらいでしょう。」
調書を読み・・・
「これは、思想的な侵略か・・・
厄介な・・・」
感想を述べるヤン提督。
ほどなく、泡を噴いたカクラが担架で運ばれてくる。
「ところで、彼はどうされます?」
ラインハルト提督に尋ねた。
「本来、大帝陛下のお命と首都を狙った罪で投獄ということになるが・・・
いかんせん、他の宇宙の民だ。」
「ただ・・・」
私は、ある予測を立てる。
「敵側の「神」が、「物質大量生産技術」を使ってこないとも限りません。」
「「物質大量生産!?」」
「不可能だ!」と二人の表情は言っていた。
「まったく不可能ではありませんよ。
現に私だって・・・」
私は、金剛石を精製してみせる。
「こんなことができますので。」
「しかしそれは、空気中から炭素を分解して組み立てただけ・・・」
「そうです。
しかし、相手は「神」。
「科学神」がいないとも限りませんよ?」
その言葉に、二人は顔面蒼白になっていた。
死屍累々・・・




