第2726話 リケ神殿視察
リケ神殿・・・
ここの一帯は、聖地リケ・サンクチュアリと呼ばれる。
「ほほお・・・
ここでは、主祭神自らが商売されているのですか。」
護符の「ハニャ」の販売店を見て、浄仁大帝は驚いていた。
「ええ。
彼女は、「神」が信者からの寄進で生活することをよしとしないのです。
まあ・・・
昔の宗教の腐敗の歴史を学んだからですが。」
やがて神殿に入っていく。
見ると・・・
妙な展示スペースやら、食事処やら巨大モニターやらある。
中には、野球選手の修行地であったとも縁起に書かれていたりもする。
神官たちや機械天使が、いそがしく動き回っているが・・・
「あの機械人形が、「機械天使」ですか・・・
なにやら、料亭のロボット配膳機や軍隊の機械兵士のようですねえ・・・」
「もとは、機動兵器の遠隔端末の自動攻撃機に、リケ神自身が人格OSを組み込み、完成させた兵器でした。
それが発展し・・・
あのように戦闘のみならず・・・
様々な用途の業務に対応できるようになりました。
ただ・・・」
「ただ?」
「リケ神当人は・・・
「やれ、最新型の軍需メーカーの武器が欲しい」だの、
「やれ、最新型のパーツが欲しい」だのとうるさくて、「金食い虫」だと言っており、神官たちよりも人件費がかかるとグチをこぼしていました。」
そうしていると・・・
リケ神殿礼拝所にたどり着いた。
「ここは、キリスト教と同じ形式ですな。」
「ええ。」
そこには、祭壇最上部にリケ神像を背後に、緑色の評議員ローブの上にキトンを着たリケ神が、聖書を手に皆に説法していた。
「・・・と、このように・・・
自分がよいと思っても、そうでないことが多々あるにゃ。
ん?
これは珍しい。
銀河連合の大帝陛下にゃ。」
神自身が、説法しています。




