第2718話 隠れた修行
「しかし・・・
あなたも「武神」として、なかなかのものですね・・・
誰を師としましたか?」
ミネル神は、疑問に思って聞く。
「基礎型は陛下にゃ。
けど・・・
人間であり、亜神である「最強の剣士」に習ったにゃ!」
すっと、構えると・・・
どちらかというと、刀の技に近い構えになる。
「いつもおちゃらけておられますけど・・・
本気で「剣」で戦う姿は、初めてですね。
リシテアール最強の剣術・・・
「トラルティール騎士団流」・・・
またの名を・・・」
一呼吸置き、テラが言う。
「ティアムル流・・・」
かつては、「殺人剣」だった技だ。
「勇者の一族が多用した奥義にゃ。」
トラルティール・ロッコツ山・・・
「にゃッ!」
リケ神の突進を、アルナスはかわした。
それも、最小限の動きで。
「なんでにゃ!」
いったとたん・・・
リケ神は、懐に飛び込まれる。
「あなたの動きは単調だ。
おっと!
ツルの名ではないぞ。」
さらに・・・
「覇王猛獣剣!」
「にゃあああああああああああッ!」
木刀ゆえに傷つかなかったが、リケ神は吹っ飛ばされた。
「まずは・・・
相手に自分の動きを悟らせぬこと。
読める動きは、未来予測も絡めて最小限の動きで行動すること。
さらに、この技は・・・
私の「最小限」の力で放った。」
見ると、アルナス自身の白衣は空気抵抗ゆえの乱れがない。
「これが・・・
神に通じる「最強の剣士」にゃ・・・?」
リケ神は、伝聞で聞く、「騎士団のスカウトを断った」剣士を見ていた。
「この程度で怯んでは困る。
習得されたいのだろう?
「究極奥義」を。」
アルナスは、メガネをくいっと上げた。
「ば・・・
バカモノにゃ・・・」
「くくく・・・
それは光栄。
だが、それを言うなら「バケモノ」だ。」
「ああ・・・
アルナス卿は、ガチでバケモノにゃ。」
遠い顔をすると・・・
神波動を高める。
「かつて、勇者の一族が使った奥義・・・
見るにゃ?」
アルナスは、剣だけならミリアム陛下に負けません。




