第2710話 予測不能
「上から!」
「え?
下から?」
あらぬ方向から、起動兵器隊や機械天使の攻撃を受けて、ミネル艦は混乱に陥った。
「とにかく攻撃です!」
闇雲に撃ちまくるミネル艦隊だったが・・・
「全て防がれています!
リケ艦隊の「盾艦」です!」
防ぎやすい状況とはいえ・・・
リケ艦隊は、ことごとく「棒立ち」で防御していた。
「ん?」
ミネル神は、ふいにモニター画面を見た。
そこには、横っ腹を見せて神波動盾を展開する盾艦が並んでいた!
だが・・・
そこに、豪華な漆で書かれた毛筆の文字が・・・
「「横」!?」
そう。
「横」である。
リケ艦・・・
「にゃーははは!
このキティルハルム親父ギャグ・・・
笑うがいいにゃ!
無理なら、「サムく」なるにゃ!」
リケ神が、爆笑していた。
「リケ様・・・
キティルハルムの盾艦は、みんなこうなんですか?」
研修修道士の人鼠のユリ・シスターが尋ねた。
「これは、キティルハルムの・・・
いわば「様式美」にゃ!」
爪を磨きつつ、のたまうリケ神。
テラが、ユリの肩に手を置く。
テラは・・・
首を左右に振る。
「目」が言っている・・・
「このセンスにはツッコむな。」と。
そのとき・・・
ミネル艦から通信が入った。
「それでも「神」ですか!?
正面から戦いなさい!」
その言葉に・・・
リケ神は鼻クソをほじりつつ言う。
「いやにゃ。」
「盾」・・・
「横」・・・




