第2703話 宮内庁陰陽寮
トキオシティ・霞が関・・・
ここに、ビルがある。
この最上階に、白衣を着た老人がいた。
「いいかげん、あなたも、そんな見かけの合皮なんぞの椅子ではなく・・・
他惑星の高級革の椅子をお使いになればよいものを・・・」
老人に向き合ったスーツの青年が言う。
「見かけで結構。
大帝陛下の執務椅子は、それより安い単なるゲーミングチェアではないか。
臣下が、そのような税金の無駄遣いをするわけにいかんよ・・・
くくく・・・」
老人は、立ち上がる。
「して・・・
例の「猫」は動いたかの?」
「はい。」
老人・・・
彼は、キティルハルムの魔法・・・
科学・・・
さらに、自身の家系に伝わる陰陽術に加える研究をした。
そればかりではない。
「陰陽寮隊長・稲荷宗尾様・・・
悪趣味がすぎますよ・・・
いくら興味があり、公開されている技術とはいえ、「あの」キティルハルム科学長官ファクトリア・ミケランジェロ閣下の「遺伝子工学」を導入されるとは!」
「くくく・・・
よいではないか!
このワシが、ただの科学者・・・
ただの陰陽師で終わらんよ!
大帝陛下ほどではないが、ワシも稲荷町の稲荷神の血を受け継ぐ者よ!
ミリアム陛下に負けてもどうでもよいが・・・
あのマッドサイエンティストに負けるわけにいかぬわ!」
そう言うと、宗尾は、狐の耳と尻尾を持つ姿となる。
「ワシは・・・
銀河連合ただ一人の「総合導師」よ!
さあゆけ!
江戸猫くんよ!」
青年・・・
宗尾の秘書官は、頭をおさえた。
「大帝陛下への忠誠心と、銀河連合国民に対する愛情は完璧なのに・・・
なんで、このお方はこんなマッドサイエンティストなんだろう・・・」
いた!
マッドサイエンティスト!




