第2696話 イスレールの称号
はるか昔・・・
「はあはあはあ・・・」
ユダヤの若き長は、神「エホバ」を相手に戦っていた。
「いいかげんにせぬか!」
「どりゃああああああああああああッ!」
長の剣が、エホバ神の顔の寸前で止まる。
「くッ・・・
私の負けだ。
イサクよ・・・
神に勝った者を名乗るがよい!」
そして・・・
彼、イサク改めイスラエルは・・・
後の12氏族の祖となった・・・
だが・・・
彼の末裔は・・・
「そして、更なる時が過ぎ・・・
創造神王・氷竜神が、キティルハルム女王ミリアリア・キティルハルムが、かつて戦った大魔王たちと和解し・・・
新世代の魔王たちに友好・指導を行っていることの真意を質問したことで、彼女と戦うことに。
しかし・・・」
戦いは、氷竜神が加減したものの・・・
ミリアム女王の勝ちとなる。
そうして・・・
「イスレールの称号」を受ける。
一連の儀式が終了した後、アルナスが集まっていた世界の国賓に声をかける。
「伝説ではあるが、かつて地球のとある民の長は、神と戦い勝利し同様の称号を承った。
やがて、その名は国の名となり、銀河統合戦争時代まで続いた。
重要なのは、この称号はあくまで陛下のものであり「キティルハルムの民」のものではないということ。
世界の重鎮の方々は、誤解されてはならない。」
ミリアム女王は、キッと目をみはった・・・
「イスレの名に於いて、私は「愛が人を傷つけぬように」することを誓います。
無論、「言うは易し」であることは承知の上です。
おそらく、容易ではありません。
しかし・・・
かつてこれは、地球でさえ成されなかった「君主」による誓いです。
願わくば、我が代に成されずとも、続いていくことを!」
その言葉に、謁見の間は歓声に包まれた。
キティルハルム女王執務室・・・
「良い出来です。
スクリナ・ミケランジェロ監督。」
私は、モニター画面を二分割して、スクリナ監督の作品を観ながら、彼女に声をかけていた。
「フッ・・・
おやすい御用にゃ。
陛下が、「イスレ」の名を御代に留めようとされるのは、戒めであるということを知らぬ者が多すぎるにゃ。
ついでに、儲かりそうなんでよしにゃ!」
スクリナ監督は、左手を引っこ抜く。
そのあとに、「真の腕」を出す。
「この通り、手は抜いていないにゃ。」
事ここに至って、このネタをぶっかますか?
「イスレ」の称号は、陛下一代の称号です。




