第2693話 宇宙連合驚異の軍人
「さて・・・
ここに・・・」
私は、大気中から水を現出させた。
「何をしたんですか!?」
「神や一定の魔導士・科学導師なら可能です。
空気中の飽和水分を、現出しました。」
バク国防長官に返答する。
「そうか・・・
陛下・・・
要は、空気から「水を絞り出した」訳か。」
くくくと笑うアルナス。
「そうです。
さて・・・
この水・・・
冷凍せず・・・
冷気魔法を使わず・・・
「凍結」できます?
理論だけでもお答えできれば、あなたが「実行可能」とみなしますが。」
私は、バクを見た。
「できる訳ないでしょう!」
「できるんですよ。」
私の神波動が、水に干渉。
そのまま凍結して、氷塊と化す。
「ど・・・
どうやった!?」
敬語が抜けてる。
まあいいや。
「簡単です。」
私は、フッと笑う。
「温度とは・・・
分子・原子の運動速度。
加速すれば加熱し・・・
ゆっくりとなり、停止すれば冷却されます。
この水は・・・
私が強制的に「分子・原子」の運動を止めました。」
「そ・・・
それで、「冷却されたことになった」と!?」
バクは、目を剥いている。
「はい。
これを物理応用できる科学導師が、貴国におられるのか疑問ですね。」
そう言うと、バクは奥歯をぎっと噛みしめている。
「はッ!」
氷塊を消す。
「はい。
これは、氷が水を経ずに蒸発する「昇華」ですね。
キティルハルムでは、この理論を千年前に魔法で実現した家電品にもありますよ。」
フリーズドライっす。




