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第2690話 リシテアールの刀剣

「まず・・・

この層ですね。」


見ると・・・


「50枚の板金が重なっている・・・!?」


驚愕する鍛冶師。


「簡単に言えば・・・

限界すれすれに叩きのばして折る・・・

重ねて打つ・・・

その繰り返しです。」


「そう。

一方・・・

あなたのオリハルコンの刀は・・・」


アルナスが、断面を見せる。


これは、まるっきり「ただの工業製品」だ。


「このような物・・・

機械の部品くらいで充分だ。

かつて、私と陛下がよくやる「鍛造法」・・・

邪馬台国にもあるが・・・

これは、地球・日本が起源だ。

私と陛下は、「魂を込めて打つ」という工程と「神波動オーラや念・魔法を込める」という工程を混ぜる。

「刀」だけでなく、「剣」も同様にやる。

少なくとも・・・

リシテアールの「刀剣」は・・・

「叩き斬る」ではなく・・・

「切り裂く」ものなのだ。」


アルナスは、とある映像を空中に投映する。


それは・・・


機巧の大魔王ファルスが、トラルティールの当時の騎士団長と戦う場面だった。


ファルスは、機械巨人となっていた。


女性で、黄金の鎧をまとった騎士団長が、すらりと剣を抜き・・・


床を蹴って「跳ぶ」!


ファルスの振り下ろされた腕の上に飛び乗り・・・


跳躍を繰り返す。


そして・・・


一閃ッ!


瞬時にファルスの片腕が、無数の機械のパーツと金属片へと変わっていた。


「これは・・・

リシテアールが、剣と魔法だけで戦っていたころから、近代戦に移行する時期の映像。

この騎士団長が繰り出した攻撃は・・・

一秒間に数十発の斬撃をくりだす奥義。

この刀に・・・

それだけの物理的なパワーと速度・・・

神波動オーラには耐えられんよ。」



実は、この騎士団長の「剣」・・・

呪いの剣です。

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