第2689話 刀と使い手
「はあッ!」
私の神波動が高まる。
「はッ!」
アルナスの神波動もだ。
私が持っているのは、私が例の鍛冶師のところで打った「鉄の刀」。
アルナスは、一方で、鍛冶師のオリハルコンの刀。
私とアルナスで「真剣」での模擬戦をすることになったのだが・・・
「女王の演舞ッ!」
「ティアムレットバースト!」
二人の奥義がぶつかる!
そして・・・
「やはりな。」
アルナスが、ニヤリと笑った。
見ると、アルナスの刀が折られていた。
私の方が傷一つない。
「ば・・・
バカな!
オリハルコンの刀が・・・!?」
鍛冶師は信じられないという表情をしていた。
「そ・・・
それは、オリハルコンに違いない!」
しかし、フータ君が私の刀の傍まで歩いていく。
懐から磁石を取り出すと・・・
がちッ。
引き寄せられるようにくっつく。
「お言葉ですが・・・
オリハルコンにこういう性質はありません。」
宇宙で、磁石と引き合う金属は鉄だけである。
「よろしいか?」
アルナスが、オリハルコンの刀の断面を見せる。
「これは、「鋳造」刀。
機械の部品ならいざ知らず・・・
武器や美術品としての「刀」には「鋳造」は向かんのですよ?」
アルナスは、科学導師然としているが・・・
錬金術師であり、魔導師・・・
剣士でもある。
また、優れた鍛冶師でもあるのだ。
さらに、私は手刀で刀を折る。
ぱきんと音がした。
その断面を見せる。
「比べてください。」
「こ・・・
これは・・・」
一目瞭然だった・・・!
ミリアム女王とアルナスの剣技はほぼ互角です。




