第2688話 鍛冶師の腕
祭祀惑星エリュシオン・オリンポス・・・
「あのパクリはひどいのお・・・」
神々の鍛冶師であるヘパイストス神が、私に言う。
「たかが鉄・・・
しかも、小手先の技術で「勝った」つもりでおる。」
「わかりますか・・・」
「当然だ。
そなたに抜かれたとはいえ・・・
「鍛冶」の神ぞ!」
なにやら、考えるヘパイストス神。
そして・・・
「あの番組の鍛冶師とそなたが勝負してみぬか?」
「へ!?」
なんだソレ!?
「あの似非鍛冶師・・・
オリハルコンで刀なぞ打てぬ。
よしんばできても・・・
そなたの騎士の鉄製の刀でその刀を斬られてお終いよ!」
「ひどい言いようですね・・・」
だが・・・
「おもしろそうですね。
かのコリアスには、オーディーン様も苦慮されておりますし。」
「そうであろう?」
そう・・・
こうして・・・
私はコリアスに向かった。
「うあ・・・
宇宙港すらないにゃ・・・」
戦艦ミリアリア艦橋の艦橋で、ナキが言う。
「ど田舎だな・・・」
居合わせるアルナスが言う。
その傍で、フータ君が「ナカソネコタツ」を磨いていた。
「僕は、陛下が打って奥様に下賜されたこの刀が愚弄されたのが赦せませんね。
いっそ、飾りのレプリカをつくってくれればよかったものを!」
意外に忠義深い。
「さて・・・」
戦艦ミリアリアは、惑星コリアスの管制に従って降下していく。
「くくく・・・
見てみたいな・・・
陛下の打った「鉄の刀」がコリアスの「オリハルコンの刀」を斬るところを・・・」
アルナスが、意地の悪い笑みを浮かべた。
ヘパイストス神の別名は、「ヴァルカン」と言います。




