第2686話 さっそく・・・
キティルハルム王立学校・大講堂・・・
「・・・というわけで、必ずしも「己の欲せざるところ、他人に施すことなかれ」は、万人に通用するわけではありません。
なにせ「己の欲するところ」は、人によって相違があるからです。」
私は、学生を相手に講義をしていた。
「陛下・・・
そんな気遣いしてたら、自分が損するでしょ?」
コリアスの留学生が言う。
「そうでもありませんよ?
自分当たり前にやってほしいことを人にやって・・・
怒らせたという例は、いくらでもありますからね。」
そういうケンカが、意外とある。
「では・・・
銀河連合とクラウンが、入港したときの「軍旗」事件・・・
あれはどうなんですか!?」
クラウンと旧タイラントの軍旗は同じである。
「始まったにゃ・・・」
「ああ・・・」
キティルハルムの学生たちは「やれやれ」という表情をしている。
「宇宙国際法で、軍旗は必ずつけなければなりません。
でなければ、「海賊」とされます。
「軍艦」として例外的に認められるのは、「神聖私諒海賊艦隊」だけです。
彼らとて「軍旗」をつけます。
コリアスは、「過去」に捕らわれているようですね。」
なんだか、太陽を図案化した軍旗をしつこく非難する国を思い出した。
「それと・・・
コリアスは、一万年前に国家として・・・」
しかし・・・
「キティルハルム王国は、もっと前にゃ。
なんなら、カーバイン王国はさらに前にゃ。
どうでもいいにゃ。
そういうことは。」
女生徒が言った。
「ぐ・・・!」
歴史捏造をしようとして、留学生は黙らされた。
「アレ」です。




