第2668話 辺境惑星コリアス
邪馬台国皇居・皇太子居室
「フジミヤ東宮殿下に、ご相談があります。」
元ガルディス帝国少将キシスは、フジミヤに話を持ち掛けた。
「なんでしょう?」
フジミヤ東宮は、彼女に王侯貴族の「心得」を叩き込んだ。
その結果、クラウン王国の再建と近代化が進んでいたが。
「カルマやアビル将軍からの連絡ですが・・・
我々より未開で、新興の辺境惑星コリアスがあると言っていましたのでね。」
マスクを外し、お茶を飲むキシス。
「もしかして・・・
「コリアス起源説」を展開しています?
その惑星・・・」
「おや?
なぜおわかりで?」
「ミリアム陛下に聞いたことがあります。
地球の大昔・・・
世界各国の文化は、すべて「自国」が起源だと称していた国家があったと。」
すでに摂政に就任し、父ニニギ皇帝の補佐をしているフジミヤだったが・・・
頭痛がしてきた。
「弟が、何とかならぬかと言ってきておるのです。」
フジミヤ東宮は考えた。
狐耳と尻尾がゆらゆらと揺れる。
そして・・・
「わかりました。
父や議会・・・
ミリアム陛下に「万博」を提案しましょうか・・・」
このときのフジミヤは、「ない脳ミソ絞って考えた」と証言している。
さっそく、フジミヤは帳面型個人端末を開いた。
さらに、情報版を取り出す。
「もしもし父上?
実はですね・・・
私一人では、手に負えない案件がありまして・・・」
「あの」国を想像してください。




