第2646話 納品
祭祀惑星エリュシオン・・・
「おお・・・
やったか!
見せてみよ!」
オーディーン神が、満面の笑みで急かす。
「では・・・」
ファクトリアは、印を結ぶ。
「これは・・・
勇者たちもやっていたという・・・」
リシテアールの有力騎士たちがうなる。
「光よ!
わが手に集いて形に成れ!」
神波動の光が集束し、三頭の黄金竜の機動兵器となる。
「オーディーン様専用機・・・
神聖竜・ドウベにゃ!」
そうして、いくつかを実体化させる。
「これが、開発データですにゃ。」
ナキは、オーディーン神に記憶装置を手渡す。
「大儀であった!
報酬を遣わそう!」
オーディーン神は、ファクトリアに杖を渡した。
「ありがたき幸せにございますにゃ・・・」
「まさか・・・
リシテアールでも、勇者がやっていた剣を実体化する術が、神の兵器を精製する術だとは・・・」
「うむ・・・」
トラルティールの騎士たちが、話し込んでいる。
だが・・・
「しかし・・・
そなたらでは、せいぜいナマクラな光流金属の剣を精製して終わりよ。」
「そんな!?」
騎士が絶望的な表情になった。
「説明します。
アレは・・・
科学導師や錬金術師の知識をも必要とします。
よって、ただの騎士にそこまではむりです。」
私は、ずばりと言ってやった。
「なにせ・・・
私とて、ゼロから作るのは不可能ですからね。」
私なりの物質と光の境界を越える手段です。




