第2644話 ファクトリアはめげない
「オーディーン様!
プロメテウス様!
あちしをお忘れにゃ!?」
悲痛な声のファクトリア。
「なんだ・・・
人間でも「最凶」の科学者ではないか。」
「今度は何をつくった?」
オーディーン神とプロメテウス神は、そこのゴミでも見るような目で、ファクトリアを見た。
「あちしの・・・
あちしの作品が・・・」
「あのような悪趣味な生物を創造しおってからに・・・」
「うむ。」
辛辣だ。
「たまには、六足神馬でもつくってみよ。」
「うむ。
天馬でもつくってみよ。」
言われて・・・
「無理にゃあああああああああッ!
馬の図体を、翼で支えるのは物理的に無理だし・・・
三対目の脚の遺伝情報をどうやって書き込むにゃあああああああああッ!?」
意外とまともなこと言ってる。
「役に立ったのだ。
本望であろう?」
意地悪そうにファクトリアに言う、オーディーン神。
「そもそもお主・・・
神に奉仕せよとまでは言わんが、もう少し世のため人のため働いてみよ。」
「オーディーン様・・・
殺生にゃあああああああああッ!」
そこで、私はファクトリアの肩に手を置く。
そして、首を左右に振る。
「残念だけど・・・
オーディーン様の言われる通りよ。」
「へ・・・
陛下まで・・・」
ついに泣き出すファクトリア。
「しょうがないのお・・・
では、受注じゃ。」
オーディーン神は、頭を掻きながら言う。
「お主の主君が手に入れた、カーバインの秘術・・・
それをもってして、とりあえずだが・・・
主神級の「創造と破壊の竜」を試作するのじゃ。」
「にゃッ!」
ファクトリアは、最敬礼をした。
大丈夫か?
意外に甘いオーディーン神でした。




