第2640話 ヤサイ人の王子
「ほほお・・・
ここまで我らをコケにするとは。」
ブジータは、ギリっと奥歯を噛む。
「コケ?」
ナキは、印を結ぶ。
「ここは、惑星守護神の流儀に従うにゃ!」
どさどさどさ・・・
「なッ!?」
ブジータの頭上から「コケ」が降ってくる。
「ご所望の「コケ」にゃ。
しかも、園芸に適さない「ゼニゴケ」にゃ!」
「くそったれーッ!」
ブジータは、神波動を最大出力で放つ。
だが・・・
「光輝閃熱針ッ!」
ナキの放った無数の炎の針をかわしまくるブジータ。
「あんたは、あちしを倒せないにゃ。」
凶悪な笑みのナキ。
「もっとも・・・
倒せても、最強の亜神たるウチの陛下には勝てんにゃ。」
キティルハルム王宮・・・
「なんで戦闘種族たった二人を寄越してきたかな?」
ミリアム女王は、考えていた。
やがて、ひとつの仮設に到達する。
「まさか・・・
相手はチップの劣化版を増産してきた?」
そうして、「いやがらせ」をしてきたということだ。
「でも・・・
たった二人でも、強豪。
ただ、相手にとって最大の誤算は・・・」
ミリアム女王は、ふっと笑った。
「あたった相手が、我が王国最凶の「アホ」だということ。
ナキのヤツは、今まで相手の「斜め下」の想定の戦術で葬ってきた。」
自分もではないか。
「彼女は・・・
私ですら想定不能なことをやるからなあ・・・」
ミリアム女王は、頭を抱えた。
出ました!
「コケ」です!




