第2628話 セレスティーン宮
「ここは・・・
忌まわしい記憶の地なのだ。」
リヒャルト陛下が、私に解説する。
「大昔・・・
旧人類と新人類が、戦争した話にゃ?」
「うむ。
旧人類は、マザーコンピューターの「マザー・セレスティーン」に支配され・・・
反旗を翻し、徐々に覚醒して数を増やした新人類に押されていった。」
リヒャルト陛下は、セレスティーン宮内の映像装置を操作する。
旧人類兵が、マシンガンを撃つ。
しかし、新人類兵は、隊列を二つに分け・・・
一方が、神波動盾を展開。
もう一方が、神波動連発銃を撃つ。
「これ・・・
五分の戦闘だったとして・・・
新人類側に「弾切れ」がないにゃ。」
「そうだ。」
ナキの感想に、リヒャルト陛下が答える。
「そして・・・
ミリアム陛下なら、もっと昔の話もご存じだろう。
かつての地球も・・・
二つの種族が存在したことを・・・」
「ネアンデルタールとクロマニヨンですね。」
「さよう。」
「なんだにゃ?」
ナキは、「???」という表情だ。
そうか。
今の時代は、ナキにとってそれから「未来すぎる」からわからないのだろう。
「かつての地球には・・・
文化的なネアンデルタールと、戦闘的なクロマニヨンがいたのだ。」
リヒャルト陛下は、語り始めた。
人類学です。




