第2626話 土産話
キティルハルム・リケ神殿・・・
「好きそうなの買ってきたにゃ。」
帰国したナキは、「薄い本」をアロームに渡した。
「感謝だし。」
受け取って、ぱらぱらとめくる。
「・・・」
すごい表情になっている。
「内容がないし・・・」
かなり渋い顔だ。
「この国じゃ、三流エロ作家でももっと描くし・・・
これ・・・
ガチで三千円だし?
ここだと、最低でも三冊買えるし・・・
ぼったくりだし・・・」
アロームには、「同人誌」は向かないようだ。
テラやステラ、リケ神にお土産を渡すと・・・
控えるファクトリアに、CPUチップを手渡す。
「これが、本場の部品にゃ?」
「そうにゃ。」
しげしげとチップを分析するファクトリア。
「高度で・・・
かつ斬新で・・・
かつ高性能にゃ・・・」
まるで、彼氏に会った幼女みたいな表情だ。
ナキには、いまいち理解しかねる表情だ。
「これで、リシテアールの文明は飛躍的に発展するにゃ。」
「なんだか、パンドラの箱を開けたみたいなことにならなきゃいいにゃ・・・」
ドン引きのリケ神。
「ホントにこれ以上を求めるにゃ?」
「あたぼうにゃ!」
しかし、これでも地球の水準よりはるかに上なのだが・・・
「さて・・・
あちしは、陛下に地球の新作プラモを持っていくにゃ。」
異様な盛り上がりの面々を置いて、ナキは歩き出した。
「しかし・・・
あの「ミツマタウロコビル」での「白猫メイド服女性店長」と「人大熊猫ナース」の激闘はアホだったにゃ・・・」
アキハバラでは、店長とナースが、「目から神波動レーザー」と「口から神波動ランチャー」の撃ち合いをしていたのだ。
店長の店で、プラモを購入したのだが・・・
「安かったにゃ。」
アロームには、薄い本は不評でした。




