第2625話 アキハバラ区
地球・トキオシティ・アキハバラ区。
かつて、オタクの聖地とされた場所だ。
「にゃ~・・・
一度は廃れたって言うけど、そんな気配は微塵もないにゃ。」
ナキは、アキハバラを歩いていた。
「ここは・・・?」
怪しい本屋に入る。
そして・・・
薄い本を手に取る。
「にゃ!?」
やたら「ぴー!」なマンガで、内容が濃いクセに値段がバカ高い。
「キティルハルムじゃ、こんなエロ本ないにゃ・・・」
キティルハルムだと、客がぼったくりと言いそうだ。
特にミケランジェロ一族。
やがて、目当ての店に入る。
最新コンピューターCPUが並んでいた。
「これにゃ。
どれどれ・・・
6万円?
最新の割に安いにゃ。」
「お客さん、どこの星の人?
ずいぶん、機械に詳しそうなんだが。」
店主らしき男が、声をかけてきた。
「リシテアールのキティルハルム王国にゃ。」
「ほほお・・・」
店主の目が光った。
「最先端だねえ・・・」
「なに。
あちしらの技術って、いくらか魔法でごまかしてるにゃ。
「本場」を見たいにゃ。」
「で、あんたは科学者かなんかかい?」
「いんや?
彫刻家にゃ。
評議員のナキ・ミケランジェロって知ってるにゃ?」
そのとき、店主がびくっとなった。
「そ・・・
そういえば、新聞やニュースでよく見るぜ・・・
変な戦術や魔法で戦う、女王すら手を焼く家臣がいるって・・・」
民間人にすら、知られていたようだ。
「ウチの一族に、科学導師・・・
あんたらの言う科学者がいるにゃ。
参考に、目玉商品をいただきたいにゃ。」
ナキは、財布を出す。
「それって・・・
宇宙で最もヤバい科学者の「ファクトリア・ミケランジェロ」ってんだろ?」
「にゃ。」
「まあいいや。
こんな星の技術ならいくらでも参考にしてくれや。
半額でいい。」
「いいにゃ?」
こうして、ナキは地球の最先端のCPUを購入して帰国した。




