第2616話 穴の向こうの懲りない面々
ウリナラース神殿・・・
「ええい!
いつになったら本格的に侵攻経路が築けるのだ!」
ウリナラース神は、さすがにじれ始めていた。
「科学神と人間の科学者に研究させておりますゆえ、御待ちを!」
識神ミネルは、弁明をしてから、ウリナラース神の間から辞去する。
「マズいです・・・」
「確かに・・・
転移用のチップも残り少ない・・・
全て使い果たしても・・・
返り討ちにされるうえ、向こうの亜神の女王に補強されます。」
ミネル神の神官アウルが、返答する。
ミネル神は、仮想モニターを展開する。
そこに、黒いローブをまとった猫耳猫尻尾の女王の姿が投影される。
「彼女ですか・・・
神殺しの亜神・・・
キティルハルムのミリアリア・イスレ・キティルハルム・・・」
「ええ。」
「小生意気な小娘に見えますね・・・」
だが・・・
「そう見えるだけで、計算深く狡猾です。
彼女のミドルネームは・・・
「神に勝ちし者」というモノ。
彼女自身、自分のみの称号とし、子孫に名乗ることを許してはいないとのこと。」
「不遜な女ですね。」
彼女がいたら、謙遜であると表情でうったえるところだ。
「さらに、科学技術だけなら彼女を上回る臣下もおり・・・
戦闘力も「神」級であるとのこと。」
「では・・・
もっと耐久力のある転移チップを量産致しましょう。」
アウルは、応える。
「お願いします。」
アウルは、歩いていくが・・・
「気休めにならんほうがいいですね。
ミリアリア・イスレ・キティルハルムの科学力は、「神の科学力」を越えています・・・
それに、彼女自身・・・
いくたの邪神を葬っていたのですから。」
ミネル神は、額をおさえた。
まだ懲りないのです。




