第2606話 国の大母
「初代様ッ!」
私は、とっさにひざまづいた。
下手をすれば、オリンポス神族より畏れ多い。
「そのようなこと・・・
いいのですよ。
それより・・・」
ノワール神は、にこやかに微笑んだ。
「私が、かつてエレノラ様やガチョウおばさんと住んでいた、古代パスキールの「大帝都」を思い起こさせる繁栄ぶりです。
すばらしい。
それだけではありません。
この惑星に限って言えば、人類同士のいさかいはないようです。」
「申し訳ございません。
宇宙全体には、及んでおりませぬ。」
まだだ・・・
宇宙の結束が足りない!
「気負わずともよいですよ。
あなたは、一国の女王。
それが、惑星の「盟主」をやっておるのです。
神々とも対等に交流している。
それ以上は、傲慢というもの。」
「欲をかくと、いいことないにゃ。」
バキッ!
ノワール神が、ミケランジェロ神の頭を金属バットで殴った!
バットは、粉々に砕けていた。
「アンタが言うな!」
コレは、初代からかい!
「「過ぎたるは猶及ばざるが如し」・・・
あなたの前世の故郷・地球の格言ですね。
また・・・
「身分相応」ともいいます。
追い詰められたときはともかく・・・
普段は、限界を越え過ぎぬように。」
おお・・・
「お会いできてよかった・・・
やはり、初代様は・・・
全てのキティルハルムの民の「母」にございます・・・」
私は・・・
このお方のようになれるだろうか・・・
「母」は、偉大でした。




