第2601話 愛の怖ろしさ
「僕ってば、「愛と命の女神」だから、戦う相手によくナメられるんだよね。」
にこにこの笑顔のルカ神。
その様子を、ピースフル・リケ艦橋で観ていたリケ神は・・・
「にゃ・・・
テラ・・・
ステラ・・・
アローム・・・
あのルカ様の顔・・・」
リケ神が、震え上がっていた。
「目が・・・」
「笑って・・・」
「いないし・・・」
従属竜たちは、ガタガタと震え上がった。
そう・・・
「君はわかる?
「愛」を連呼すると、国が滅ぶよ?」
ツキヨミ神には、何のことやらわからなかった。
「だってね・・・
誰かを愛するから強くなれるとか・・・
誰かのためにやり遂げるとか・・・
そればっかりなのかな?
不特定多数の異性のために、配慮した結果、出生数が減ってヤバかった国もある。
それも「愛」。」
ピースフル・リケ艦橋・・・
「今・・・
ハルカ神が、昔・・・
超魔王時代に、全てを滅ぼそうとしたにゃ・・・
それは・・・
つまり、こういうことだったにゃ・・・」
リケ神は、目を剥いた。
「「愛の女神」とは・・・
人間や私たちが思う「愛」を・・・ではなく・・・
「愛」の本質を知る者のことだったのですね・・・」
テラが言った。
「そう。
だから彼女は、一見悪辣な邪神だったように見えたけど・・・
考えようによっては、慈悲深かったのかもしれないにゃ。
もっとも・・・
それは危険すぎたから、アルナス卿・・・
いや、ライテス卿と六大勇者に倒されたワケだけど・・・」
リケ神は、険しい顔をする。
「ふッ・・・
まさに「陰陽」にゃ・・・
陛下に聞いた「光」と「闇」のバランスってのが、ここで出てくるとは思いもしなかったにゃ!」
そういうことなんです。




