第2594話 撤退ッ!
「うぐッ!」
セレニア神は、タライが直撃したどたまを抱えてうずくまった。
「にゃ。
「ペロリン」って書かれてるにゃ。
ウチの神殿の温泉で使っているタライを提供してくれている「サドウ」という製薬会社の頭痛薬の名称にゃ。」
リケ神が、タライを拾い上げて言う。
「~ッ!」
「だから言ったでしょ。
「ツキを奪ってお仕置きよ!」って。
今のあなたは、「ツキがない」状態。」
やがて、はっとなったセレニア神は・・・
「撤退!
やってられないわ!」
「撤収ッ!」
デミダイヤ神が答えるように叫ぶと、セレニア神、デミダイヤ神・・・
亜神兵が姿を消していく。
「さて・・・」
そこで、姿を現したのがプロメテウス神だった。
「このようなモノを拾ったが・・・」
それを私に見せてきた。
「これは・・・
空間転移動力システムのチップの一部ですね。
うーむ・・・
神族が使うものや、我々や・・・
ネオ・メカミクスの物とも違います。」
「どれどれ・・・」
興味深げに覗き込んできたファクトリア。
「コレ・・・
「強引に」連続転移するためのチップにゃ。
解析しないとわからないけど・・・
たぶん、今は使い物にならないにゃ。」
「なんで?」
アルテミス神が尋ねた。
「「使い捨て」にゃ。」
「使い捨て?」
「そう。
たぶん、セレニア神は、こっちにちょっかいをかけるつもりで、これを二つ持ってきたにゃ。
往復一回分。」
「そうか!
彼らは、ミリアム女王がつくった「回廊」のせいで、大規模な攻勢をかけられない!
だから、斥候を兼ねた小規模攻撃を!」
プロメテウス神が言った。
このタライ・・・
元ネタは・・・
「アレ」です。




