第2590話 混雑種
「く・・・
バケモノめ!」
亜神兵は、剣を構えた。
「はあッ!」
亜神兵は、神波動を放ち、人狼の姿になる。
そのまま、アルナスに斬りかかる!
ガキイイイイイイイイイインッ!
鈍い金属音と共に、アルナスの左腕が剣を止めていた。
「ま・・・
まさか・・・
竜の鱗だけで止めるとは・・・」
「ふッ・・・」
アルナスは、鼻で笑った。
「おめでたいな。
「その程度」しか見ていないとは。
私の生まれたリシテアールという惑星は・・・
長きにわたって、多種多様な種族が混血した魔法に特化した者・・・
全対応な者・・・
そういった一族や出生の者たちがいる。
総称して「混雑種」と呼ばれるな。
ちなみに私は・・・
竜族、エルフ族、人狼族、人間の混雑種だ。」
「で・・・
では・・・」
「神波動を特別高めるまでもない。
竜族の鱗と人狼族の筋力・毛皮を同時に使用した。
お前もわかるだろう?
人狼族の毛皮の防御力くらいは。」
「ぬかせ!」
斬りかかる人狼亜神。
だが、アルナスは時に受け・・・
時に斬りかかるという、戦いを見せていた。
「魔法も使う・・・
科学導師としても一流・・・
剣も強い!
どこが「最弱」だッ!?」
「くくく・・・」
アルナスは、メガネを外す。
「まあ・・・
友や上司・・・
神々にはよく言われるのだ。」
変身の影響でわずかに伸びた犬歯をむき出しにして、笑う。
「「過度の謙遜は、イヤミ」だとな。
困ったな・・・
私としては、正確な「自己分析」なのだが。」
いるいる!
こういうヤツ!




