第2588話 秘伝の技
「くそッ!
このまま、手土産一つなしに帰れるかッ!」
「おうよ!」
亜神兵が、縦一列に並んでミケランジェロ神にしかけた。
「なるほど・・・
自分たちを一人に見せて変幻自在に攻撃する・・・
いい手にゃ。」
ミケランジェロ神は、ノミとハンマーを実体化させる。
「このミケランジェロでなければの話ならにゃッ!」
「「「なッ!?」」」
ミケランジェロ神は、最前列の亜神兵の懐に飛び込んだ。
「にゃーッ!」
ごりッ!
もの凄い音がする。
たて続けに、並んだ人数分の音が響いた。
亜神兵たちは、血まみれになって倒れた。
「え?」
敵亜神兵の一人が、味方を調べてみる・・・
「な・・・
内臓が・・・
あと、背骨をぶち抜いてる・・・」
「そこのヤツ。」
「え?」
呆然とする、敵亜神兵に語り掛けるミケランジェロ神。
「あちしのノミは・・・
「一直線」に亀裂を入れるにゃ。
これは・・・
今は、子孫にさえ伝わらなかった「秘伝」にゃ。」
「で・・・
では・・・
貴様が、「このミケランジェロでなければの話なら」と言ったのは・・・
まさか・・・」
「そうにゃ。
このミケランジェロは、戦艦の外殻装甲すらも、こうしてぶち抜けるにゃ。」
普段はおちゃらけていて、残念黒歴史満載のミケランジェロ神だが、技術の妥協はなかった。
「あんたらにはわからんにゃ。
一から国をつくった者たちの苦労は!
子供を育て・・・
技術を磨いた者たちの研鑽は!」
ミケランジェロ神は、マジだった。
彼女は、一列の敵をぶち抜くのです。




