第2580話 月の女王
太陽系・月コア付近・・・
ここは、もう一人の「月光神」セレーネの居城・・・
「ぬうう・・・
この期に及んで、なにやってるんだあの冬眠女王は!」
オーバーオールにキトンという女神が現れた。
かくいう、月光神アルテミスである。
月の空洞の中に、巨大なクリスタルの宮殿がある。
「水晶宮殿」だ。
アルテミス神が歩を進めると、一人の幼女が制止した。
「アルテミス様!
おかあしゃまは、後一万年眠るそうでしゅ!」
「だあああああああああああああッ!
そんな待てるかッ!
今、人間も神もヤバいっての!
人間出身の亜神や神にばっか頼れないんだよ!」
ブチキレるアルテミス神は、すがりついてくる幼い神々をひきずって、宮殿に入っていく・・・
すると・・・
そこに広がっていた光景は・・・
幼い男女の神々が雑魚寝している・・・
大広間の大型のベッドには、男女の神がいびきをかいて寝ていた。
「おい!
セレーネ神!
エンディミオン神!
いい加減に起きろ!」
「うーん・・・
あと二万年・・・」
どんだけ寝ているのか・・・
「人間にもいたっけ・・・
三年寝ていたヤツ・・・」
アルテミス神は、ミリアム女王から聞いた「三年寝太郎」のことを思い出した。
「聞いたときは、ガチでファンタジーだと思ったよ・・・
いたんだよなあ・・・
こんな女神が・・・」
さらにこの夫妻・・・
元気すぎて子沢山である。
「このあたり・・・
ウチの親父のゼウス様もびっくりというレベルなんだよね・・・」
そう言うと、アルテミス神は、右手を出した。
光流金属製のハンマーが精製される。
ハンマーには「ち「起床」ッ!」と書かれている。
「さあ・・・
今は神は少しでも必要なんだよね・・・」
アルテミス神は、ニヤリと笑った。
デターッ!




