第2577話 石橋を叩き壊しながら渡る
祭祀惑星エリュシオン・・・
ブン・・・
また、艦隊が戻ってくる。
「いきますよ。
ハルカ神!」
「ええ!」
私とハルカ神は、印を組む。
「「はッ!」」
たちまちのうちに、艦隊は復元され、また転移していく。
「大した手際だね。
科学導師とは。」
アルテミス神が、あきれた声で言った。
「これなら、こっちは無傷でいけるんじゃない?」
しかし、私は首を振る。
「いいえ。
これは、相手を退却させるための時間稼ぎです。」
こんな手で勝てるなら苦労しない。
「ええ。
少なくとも、精神的に疲弊してもらわねば困ります。
アルテミス神。
あなたは、自分より実力の弱い者でも、さばききれないくらい攻め込んできたら、どうお思いです?」
ハルカ神は、アルテミス神に言った。
「うへ・・・
我が妹ながら、とんでもない手を思いついたよ・・・」
アルテミス神は、アテナ神を見た。
「さすがにこういうのは、我がネオ・メカミクスの「真骨頂」ですな。
人間では、自分が「生き返らせてくれる保証」が絶対にあってもこうはいかない。」
エクサドル指令は、ニヤリと笑う。
「ですね。」
私は、戦艦を復元する。
破られた外殻装甲が再生し、駆動エネルギーが充填され、また転移していく。
こうして、敵を消耗させていく・・・
「ああ・・・
特攻隊とは・・・
こんな気分だったのでしょうか・・・」
私は、少し感傷に浸った・・・
「石橋を叩き壊して渡ってやります。」
一瞬で修理完了!




