第2572話 最凶の研究室
がちゃり。
ファクトリアは、扉を開け・・・
部屋に入った。
「ここが、あちしの自室兼中枢研究室にゃ。」
「!!!ッ!?」
もう声が出ないミケランジェロ神。
怪しい透明カプセルの中で、微動だにしない怪しげな合成生物・・・
科学神が見ても、判別が不可能な機械・・・
ちょっと気になったのは・・・
コンソールがあって、その窓らしき透明金属がある場所だった。
「コレ・・・
何にゃ?」
「コレにゃ?
コレは・・・
分子レベルのマシンドックにゃ。
ここの設備で、駆逐艦くらいならつくれるにゃ。
しかし・・・
アレはきつかったにゃ・・・
大型戦艦の建造を命じられて・・・
ブロックごとにここで、大量生産・・・
軌道衛星ドックで、最終組み立てをして・・・
へばったことがあったにゃ・・・」
ミケランジェロ神は、すなおに感心した。
こんなヤツでも、「重労働」というモノをしたことがあるということを。
「神々も言ってたにゃ・・・
あんたの一番厄介なところは・・・
「いなくなること」だと・・・」
それを聞き、ファクトリアは、ニヤリと笑う。
「そーいうヤツをこぞって処分する組織ほど、古今東西、あっさり潰れているにゃ。」
コワい。
こいつは、自分の価値をわかっていた。
ふと・・・
ミケランジェロ神は、ベッドで爆睡している男に気付いた。
「コレ・・・
誰にゃ?」
「助手君にゃ。
今は、亭主にゃ。」
実は、こういうヤツを切る組織こそ簡単に潰れます。




