第2562話 伝説の職人
ピースフル・リケ艦橋・・・
「え!?
亀裂が、一直線!?
キティルハルム建国期に・・・
そんなすごいことをやっていたんだし!?」
アロームが、素っ頓狂な声で驚く。
「そんなこと・・・
当代で最強の職人である、ナキ閣下でも無理だし!」
「それも・・・
彼女は、ナキ閣下が数時間かける仕事を、同じ時間で終えたと聞きます。」
テラが、アロームに言う。
「追尾神波動レーザー、発射にゃ!」
逃げ惑うガレス艦を、追い回すように射撃し、ガレス艦の外殻装甲を削るリケ神。
「ってか・・・
当時は、ノミとハンマーでやってたって聞くし・・・
それ・・・
閣下の本家に飾られている、「これノミ」ってノミで・・・
ミスリル製だったし・・・」
つまり、先進的な文明の利器のある現代と遜色のない仕事をしていたということだ。
「それと・・・」
操縦席に座るリケ神は、アロームに視線だけを送り、言う。
「母ちゃんは・・・
彫刻だけでなく・・・
鋳造もやってたにゃ。
だからだと思うにゃ。
あの変人的な金属のコントロールは・・・」
「そういえば・・・
偉人伝に・・・
彼女は、晩年にリケ様のオリハルコン像をおつくりになられたと・・・」
ステラが言いかけ・・・
「ちょっと!?」
テラが慌てて口をふさぐ。
リケ神の両目からは、涙が・・・
「にゃ。
突入ッ!
ヤツの隔壁内に、ありったけの爆発物をぶっこんでやるにゃ!」
ピースフル・リケの右タラップに、機動兵器隊が集合していた!
ミケランジェロ神は、彫像と金属加工のスペシャリストでした。




