第2547話 戦術
「勝てない?
なぜです?
機械が適当なことを・・・」
ノワール神が、むっとしつつ反論する。
「ご無礼を承知だけど・・・
こっちにはいっぱい神様がいるし、陛下みたいな人も、亜神ほどではないけどいっぱいいるで。
けど・・・」
スパコーンの言葉に対して、ホワイトボードを持ってきた二体のチルド・スパコーンが、ボードに書き込んでいく。
それは・・・
だいたいのこちらの宇宙の神々や戦力・・・
想定される向こうの宇宙の神々や戦力が、図解された内容だった。
「ふむ・・・
こちらは、創造神族や破壊神族がいかなる戦いでも、参戦できず、「中位神」であるオリンポス神族やアスガルド神族等に限定されていたのと同様・・・
向こうでも、似たような歴史を歩んでいたわけで・・・
こちらの思惑はどうであれ・・・
向こうは、こちら側の「壁」が強固になるのを見計らって、侵攻の準備を始めたというワケですか。
そうなれば・・・
人間戦力はともかく・・・
神々の戦力は、こちらと同等くらいにはなる・・・」
私は、言うとスパコーンを見る。
「・・・そういうことでしょう・・・」
「せや。
つまり・・・
今回は、「斥候」として混沌神族級を一柱だけ送り込んできたみたいや。」
スパコーンがそう言うと、床の一枚がせりあがって、ネズミの模型が出てくる。
「まあ、後は各星間国家の中央電算機と協力して分析するさかい、よろしゅう。
これは、餞別や。
ジョルジュ様に渡してやってもええで?」
スパコーンは、ニタニタと笑っている。
「まったく・・・
そのいたずら・・・
懲りないわね・・・」
私が言うと・・・
「ウチは、基本一人でいるんや。
これくらいしか娯楽はあらへん。」
「性格悪いわよ・・・」
言っている間に、ノワール様はネズミの模型・・・
「レディマウス」を手に取った。
スパコーン・・・
相変わらずです。




