第2538話 城塞
それから、数週間後・・・
「壮観にゃ・・・」
キティルハルム旗艦・戦艦ミリアリア艦橋でナキが呟いた。
「ただでさえ強力な邪馬台国驚異の防御システムと、我が国の魔法技術・・・
それと、銀河連合のマンパワー・・・
まさかここで、一致団結とはすごいにゃ!」
エル商会傘下の建設業者の魔装騎士が、溶接と組み立てを行い・・・
キティルハルム軍の機動兵器群が、強化魔法をかける・・・
「しかし・・・
ここで、エル家当主が出てくるとは思わなかったにゃ。」
エル家は、キティルハルム評議会のメンバーの一人で、建築ギルドマスターを歴任している。
この人物は、機動エレベーター・キティルハルムの門や、リシテアール宮殿の造営にも携わったことでも知られている。
「ええ。
彼が出てきたということは、想定よりはやく工事は終わるわ。」
やがて、艦橋内にラインハルト提督が入ってきた。
「ミリアム陛下。
ウチの工員は、怠け者で有名なんだが、それが統率がとれているように見える。
まあ・・・
稲荷建築からも少し回してもらってはいるが。」
「まあ・・・
キティルハルムのエル家は、最も古くはキティルハルム王宮の建築や王宮図書館の増築にもかかわった棟梁の家系です。
時代ごとのアップデートもありますが、建設においては右に出る者はいません。」
私は、ラインハルト提督に応える。
そうして、まるで惑星のようになっていく・・・
「城塞だな・・・
まるで。」
「にゃーははは!
ラインハルト閣下!
敵とはいえ、神様にゃ!
ここまでやらんとダメにゃ!」
ナキがバカ笑いする。
まあ・・・
かつての邪神も、こういう囲いを突破してきたのだ。
二度あることは三度あるという。
封じ込め作戦決行!




