第2522話 データ
ファクトリア邸・・・
「これが、ハルカ神からもらったデータと、ナキの治療データね。
これを一般の医者ができる技術にしてね。」
私は、彼女に、記録装置渡す。
「まあ・・・
陛下は「亜神」だから力ずくでやったみたいだけど・・・
「普及版」にすることは可能にゃ。」
私の傍には、不気味な顔をしたアルナスとジョルジュ・・・
そして、仏頂面のナキがいた。
「酷いにゃ!
人体実験するなんて!」
なにやら抗議するナキ。
「けど、ナキ閣下。
都合よく、こういう臨床試験の患者なんてみつからないにゃ。」
記録装置を個人端末に差し込む、ファクトリア。
「つまり・・・
偶然、虫歯で死にそうになってたあちしが悪いにゃ?」
「そうとも言うにゃ。」
「そう悲観するもんじゃないよ?」
ニタリと笑うジョルジュ。
「ジョルジュ様まで!?」
「そうとも。
発展に「犠牲」はつきもの。
しかもだ。
完治してよかったと言うべきだろう?」
そう言うアルナスだが、顔が不気味な笑顔だ。
「その顔は・・・
「犠牲」じゃなくて・・・
「生贄」と言ってるにゃ!」
そう。
最近の戦争では、身体の一部が欠損なんて少ない。
多くは事故現場だ。
だから、実証しにくい。
「さーて・・・
陛下の「神業」をどうやって再現するかにゃ。」
にこにこの笑顔で、プログラムを組んでいくファクトリア。
「そこのマッドサイエンティスト!」
「にゃ?」
「何を楽しそうに作業してるにゃ!」
「にゃーははは!
誉め言葉にゃ!」
これほど意味のない罵倒もない。
安定のマッドサイエンティストです。




