第2508話 ファルティア帝国考古長官マラミュート・アルティリア
ファルティア帝国・考古庁・・・
「あんのアホ・・・
またやりやがったーッ!」
牙を剥きだし、ファルティア帝国の考古長官マラミュート・アルティリアは、怒鳴った。
元は人狼族の国アルティリアの第二王女だったこの女性・・・
彼女こそ、その考古学の知識を、ミリアリア大公領の冒険者ギルドマスターであるショータ・ミケランジェロに認められ、その弟子として考古学の発展に寄与してきた。
「女王陛下の命で、時々くるのはいいけど・・・
度肝を抜く奇行ばっかり!」
シベリアンハスキーを思わせる彼女は、実は帝国内でも人気ランクが高い女性だが、彼女は意に介さない。
「新発見の遺跡を見つけては、自分が突っ込んで激突して大怪我・・・
果ては、ナキ閣下の口座からお金を横領して訴訟沙汰になるし!」
今回に至っては・・・
報告書を読むと・・・
調査中だった遺跡に、魔物が出たため応戦。
全討伐したはいいが、遺跡は崩壊・・・
極大魔法級の大魔法を使ったためと、思われる。
だが・・・
かつての古代時代の「電磁加速カタパルト施設」だったようで、銀河連合からさえ注目されたオーパーツ遺跡だったのだ。
そんなときだ。
「いやあ・・・
悪い悪い・・・」
そう言いつつ、ショータが入ってきた。
彼の評議員ローブは、ボロボロになっていたが・・・
「どーしてくれるんだッ!」
がすッ!
マラミュートは、ショータの身体を投げ上げ、空中で極めて落下。
「マッ〇ルスパーク!」
「ぐはッ!」
ぺっと、唾を吐き出す「元」王族らしからぬ悪態をとる、マラミュート。
「女王陛下、皇帝陛下、大公殿下にこの不始末・・・
包み隠さず報告させていただきます!」
マラミュート・・・
彼女は、ショータの奇行の被害者の一人です。




