第2503話 識神ハルカ
深淵の図書館・・・
「ここは・・・?」
見覚えのある風景に、ハルカ博士は目を見張る。
「久しぶりだね。
ハルカ博士。」
中央ホールで、「すっとこどっこい」と書かれた湯呑みで、お茶を飲む神がいた。
「司書神様・・・」
彼は、なにかとキティルハルムのミリアム女王を助けていた神だ。
「なぜ、私がここにいるのでしょう?」
解せない。
「私は・・・
宇宙を破壊し、神々全てを抹殺しようという大罪を犯しました。
にもかかわらず・・・
人間も来られる場所とはいえ、この神域に・・・」
「単刀直入に言うと・・・
あの裏切った連中のせいで、「空き」ができた。
そこで、時空神に「助手が欲しい」と言ったら、手配してくれたよ。」
つまり、自分は「神」として再生され、ここにいるということか。
「君には、ここに来る人間に導きを示す役を受けてもらう。
「識神」と言う訳だ。」
意味がわからない。
「実はね・・・
この措置に関しては・・・
君の後継者の三人・・・
「ミリアム女王」、
「総合導師アルナス」、
「聖大魔王ジョルジュ」の三人・・・
リシテアール三賢人の嘆願だったんだよ。」
「あ・・・」
ハルカ博士・・・
いや、識神ハルカの目頭が熱くなった。
「あれほどの罪業に手を染めた私に・・・」
「だからこそできることもある。」
甘い・・・
甘すぎる!
しかし・・・
識神ハルカは、膝まづいた。
「識神ハルカ・・・
ご恩に報いるため・・・
お仕えします!」
ここに、新たな神が生まれた。
新たな神誕生!




