第252話 号泣
「そんな…じゃあ、僕はなんだったのさ!
実験用二号が、本気で好きになって・・・
もう死にたくないし、未練ができて・・・
僕は、科学導師だよ!
この感情を研究したい!」
実験用マウス一号は、号泣しだした。
「それが、「生への執着」ってモンにゃ。
あんたは、ずっと生きてきたから・・・
あるいは、「闇」の中に居続けたから、わからなかったにゃ。」
リケちゃんは、たんたんと言う。
「あるいは、この「生への執着」をあなたは、怖れた。
いや、嫌ったのか。」
アルナスは、ハルカ博士を見た。
「まさか、あのしつこいのが、ここに来ていたなんてね・・・
せっかく、棄てたはずの「恋愛感情」を取り戻して、前世では無縁だった「家庭」を持つことができたというのに・・・」
私は、ため息をついた。
「私ね・・・
普通の労働者で仕事人間だったの。
あいつ・・・
自分がいいと思い込んでことを、次々とやっていたけど・・・」
「そうだな・・・
人狼君は、人兎さんに、誕生日プレゼントとして、香辛料たっぷりの焼いた肉をあげました。って奴だな。」
アルナスは、私を見た。
「うッ・・・」
ハルカ博士が苦しみだした。
「三人が、「私」の中から出ようとしている!
この「ガルアレート」の全てをミリアム女王と、アルナス長官に進呈する!
彼らを倒して・・・!」
アルナスの一言・・・
私の短編からです。




