第2499話 王立図書館司書官ビブリス
王立図書館・・・
「まったく・・・
なんで、古代文明から現代までのありとあらゆる書物を納めるこの偉大な図書館で、こんなに散らかすのかしら!」
人鼠のビブリスは、王立図書館内のゴミを掃除して、グチを言った。
「まあ・・・
エロ漫画やアホなギャグ漫画を読んで悶絶するくらいは、いいわ。
館長たる女王陛下がお咎めにならないし。」
だが・・・
中には、コンビニ弁当やおやつを持ち込んで、散らかす輩もいるのも事実なのだ。
ふと、科学関係の書を読んでいた一級貴族らしき男が、「缶ゴミ」と書かれたゴミ箱に空缶を投げ・・・
見事に外す。
だが・・・
そのまま、書を読みふける。
「ほほお・・・
こういう理論か・・・
次のネタに使えるな。」
誰あろう、小説家オヤジのシンだった。
「ちょっと!」
ビブリスは、シンに声をかけた。
「缶は・・・
ちゃんと捨ててください!」
「捨てたはずだが・・・」
シンは、耳をぴくりと動かし・・・
ゆらりと尻尾を動かす。
「見てください!
アレを!」
見ると、缶がことごとく「狙い」を外し、山盛りになっている。
「!!!
す・・・
すまん!」
シンは、立ち上がり、缶をていねいにゴミ箱に入れていく。
「まあ・・・
あなたのように、言えばわかる人はいいのですよ。
言ってもわからない人がいますから。」
ただ・・・
シンの飲んでいた缶飲料は・・・
「エンペラーコブラ1000倍」という、すこぶる強力なエナジードリンクだった。
「身体・・・
壊しますよ?」
ゆらゆらとネズミの尻尾を揺らしながら、ビブリスは心配そうに声をかけた。
「くくく・・・
これは、「根性の泉」なのだ。
エライ人には、それがわからんのだ。」
ワケのわからんことを言うと・・・
シンは帰っていった・・・
「あのオッサンはほっとくにゃ。」
ナキが、紅茶を優雅に飲みながら言った。
また、ジョルジュの一族を出しました。




