第2493話 女王、優雅のひと時を邪魔される!
この日、ミリアムは公務を無事に終え、お気に入りのコタツで、ぬくぬくしながら、のんびりしていた。
今日はこの後、何にもない。
久しぶりに、何をしようかと考えていた時、来客を知らせる騎士が来た。
「お通しして。」
はて、誰だろうかと、コタツのまま視線を向けたら、来客と視線が合った。
「お久しぶりですわぁん♪
陛下☆」
「お迎えに上がりました。」
「・・・へっ?」
間抜けな声になったのは、仕方ないと思って欲しい。
何せ、目の前にいる来客は、ミリアムにとっては、大変、苦手な方々だったのだから!
「な、何故、貴女方が此方に!?」
そう、彼女達。
方や、筋肉隆々でありながら、可愛らしいメルヘンな服装をした、マッチョな若い女性、名をエリトリアという。
なお、大変似合っている。
この筋肉のせいで、とある艦隊から熱烈なオファーが来ているらしい。
一説では、神族の「ギガス艦隊」とか。
ガチでマッチョだ。
方やホッソリした華奢な体型のキリッとした女性、フォーマルな服を着こなしており、名をマリアンナという。
なお、列記とした姉妹であり、そして一流の服飾師でもある。
そう、デイブランド工房所属の。
「陛下、何度も採寸の依頼をしてますのに、音沙汰無し・・・
ですので、王宮に連絡をし、予定を空けて頂きました。」
「!??」
驚愕のまま、口をあけて固まるミリアムに、満面の笑みを浮かべたエリトリアは、ガシッとミリアムの右手を掴む。
反対は、マリアンナがガシッと掴んだ。
「さぁ、デイブランド工房へ参りましょう。」
「・・・えっ!?
ま、待って!
いつの間に!?」
「「我ら、服飾師ですから。」」
「絶対に違うわっ!」
当たり前のように、ミリアムを連れていく二人に、戦慄する。
毎度思うが、デイブランド工房は、伏魔殿にしか思えない。
弟子であり、この惑星の神・リケ神が語った「伏魔殿」のほうがまともに思えるくらいだ。
「にぎゃあああ~~~~~~~~・・・・・・」
ミリアムの悲鳴が、広い宮殿に、虚しく響いたのだった・・・。
それも・・・
王族区画だけでなく、「公共区画」にまで・・・
遠くにいたユニィが、悪寒を覚え、辺りを確認したらしいが、幸いにも、彼女にはお迎えは行かなかったという・・・。
が、次の日、デイブランド工房より、招待状が送られて来たそうだ。
しばらく、それを手にしたまま、石化したユニィの姿があったという・・・。
今度の標的は・・・!?




