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第2488話 天才なるアホ

さて・・・


リシテアールには、「経済」「流通」「芸術」・・・


この三つを牛耳る一族がいる。


キティルハルムの「ミケランジェロ一族」である。


外交で、戦争を意図的に引き起こした外交官もいれば・・・


意図せず毒をつくる者もいる。


その祖は・・・


「ミケランジェロ」。



ミケランジェロの家・・・


ここは、現在・・・


彼女が夫や子供たちと共に生活する場である。


が・・・


子供たちは、専用の離れを持っている。


ジャンルの違う仕事をしているからだ。


「いいものもらったにゃ・・・」


ミケランジェロは、自分の作業場で、粘土の塊を二つに割り・・・


そこから、熊の首を引っ張り出した。


「しかし・・・

金があるとは、思わなかったにゃ。」


粘土の塊だけをくっつけ・・・


金の塊を炉で融かす。


彼女は、基本は彫刻家であるが・・・


鋳造もするのだ。


やがて・・・


水のように程よく融けた金が、金属バケツになみなみと・・・


これを、金具でつかみ、粘土型に流し込む。


時間が経ってから、水魔法で冷却し・・・


型を愛用のミスリル製「これノミ」で壊す。


このノミは、遥か未来で、彫刻の主役の座を退いても、神棚に飾られ・・・


一族の家宝となるが、現在の彼女は知る由もない。


また・・・



後日・・・


「あんた・・・

また変なブツを・・・」


主君にして師であるノワール女王は、呆れ顔だった。


「そこがいいにゃ!

アルム閣下の文字通り「戦果」にゃ!」


「趣味悪いなあ・・・」


やがて・・・


この黄金の鋳物・・・


そう。


まさか、ミケランジェロは・・・


後世で黄金の熊の首(ベア)と呼ばれ・・・


春闘で使用され・・・


王国の経済を左右する、王家の秘宝となることをする由もなかった。



王立図書館・・・


テラは、伝記を閉じた。


「・・・

ミケランジェロ一族当主は・・・

代々、こんな性格だったのですね・・・」


テラは、ため息をついて、ペットボトルのお茶を飲んだ。

このブツで、文字通り「ベアアップ」を決めます。

だから「ベア」なんです。

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