第2484話 薬品名「神殺し」
「にゃああああああああああああああッ!」
自分で、神酒の試作品を試したファクトリアは、泡を噴いて気絶した。
「うむ・・・
効果はわずかに上がったとはいえ・・・
桁外れにマズくなっておる・・・」
プロメテウス神は、ファクトリアの個人端末のモニター画面を見て呟く。
「それ・・・
もはや、兵器にゃ・・・
人間はおろか・・・
「神」さえ気絶させるって・・・
人間界最凶の毒ガス兵器のサリンガスより怖ろしいにゃ・・・」
目を覚ましたバステト神が言った。
「そればかりではない。
オリジナルと違い・・・
効果は、身体に留まらないという分析結果も出ておる・・・」
それを、人間界では「役立たず」と呼ぶ。
「役立たずにゃ・・・
「失敗作」ともいうにゃ。
これほどの科学導師でも、再現できぬとは神酒って・・・」
バステト神は、遠い目をした。
「やっぱり、ヘルメス神やアスクレピオス神につくっていただくしかないにゃ?」
神界では、神酒を生産しているのは彼らだ。
「うーむ・・・
人間が自らつくれんと話にならぬのだ・・・」
だが・・・
「こ・・・
転んでもタダで起きたらビンボー人にゃ・・・」
しぶとく復活したファクトリアが、立ち上がる。
「それ・・・
「転んでもただは起きぬ」というにゃ・・・」
ツッコむバステト神。
そこで・・・
ファクトリアは、何を思ったのか・・・
今のデータをプリントアウトする。
「失敗から生まれるものもあるにゃ・・・
これを・・・
「神罰」用にお納めいただきたいにゃ!」
プリンターから出てきた紙を、プロメテウス神に渡す。
「商標名・・・
「神殺し」!
悪いことをしたヤツや、神様に使うにゃ!
ロイヤルティ?
いらんにゃ!」
ここに怖ろしい薬が誕生した!
プロメテウス:怖ろしい薬ができてしまった・・・




